下北沢メディカル 内科・消化器内視鏡クリニック

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胃アニサキス症

胃アニサキス症の診断方法などをご案内

ANISAKIS

胃アニサキス症とは、生魚や生の海産物を摂取することで発症する寄生虫感染症で、急激な胃痛を引き起こすことが特徴です。アニサキスという寄生虫が胃の粘膜に侵入することで、激しい痛みや吐き気を伴う急性の胃炎を引き起こします。生魚を日常的に摂取する機会が多い日本では、注意が必要な疾患です。胃アニサキス症の原因や症状、診断方法について詳しく解説しています。

加熱されていない新鮮な魚が原因

アニサキスは主に新鮮な魚介類や未調理の魚に含まれ、感染源として知られています。体長が2-3cmほどで、魚類の内臓や筋肉に寄生することがありますが、感染して症状を起こすのは主に人間です。アニサキスによって引き起こされる胃アニサキス症は、食物に含まれるアニサキス幼虫が胃や腸に侵入することで発症します。サバ、アジ、サンマ、カツオなどの青魚や、イカなどが感染源となることが多いです。

まれに腸閉塞を起こす可能性もあるアレルギー反応

感染後、アニサキスが胃の粘膜に侵入し、急性胃炎を引き起こすことが特徴です。胃アニサキス症の症状は、多くの場合、感染後数時間から数日以内に現れることが多いです。また、一般的な症状は、激しい腹痛が上腹部中心に起こります。さらに、症状が進行してしまうと腹痛だけではなく、嘔吐、下痢、発熱が見られることもあります。

これらの症状はアニサキスに対するアレルギー反応と考えられています。ほとんどの場合は局所的なアレルギー反応ですが、アナフィラキシーのような強いアレルギー反応では、蕁麻疹、血圧低下、呼吸不全、意識消失などの全身症状を伴う場合もあります。国内のアナフィラキシーショックの原因別の頻度では、アニサキスは、食物、薬物に次いで第3位となっており、決して珍しいというものでもありません。

アニサキスは滞留時間の長い胃にいると胃酸から逃れようと胃粘膜に入りこもうとするため胃で発症する頻度が高くなります。まれに小腸に移動し狭い小腸で局所的に強い炎症を起こすと腸が腫れあがり腸閉塞をきたすことがあります。

 

内視鏡による診断と虫体の除去

診断・治療目的に内視鏡検査を実施いたします。内視鏡を用いて胃の粘膜を直接観察し、アニサキスの幼虫や寄生による炎症の有無を確認していきます。アニサキスが存在する場合には、胃の粘膜に激しい炎症を引き起こし、近くにいるアニサキス虫体を直接確認し生検鉗子で採取します。1か所だけでなく数か所存在することもあり全体をよく観察しておくことが大事です。大抵はアニサキス虫体を除去することで症状は速やかに改善してきますが、アレルギー反応が残存する場合を考慮して内服処方することもあります。

局所の炎症だけが残っていてアニサキスが小腸へ移動してしまった場合は薬物療法のみで経過をみる必要があります。まれに小腸で激しい炎症を起こし腸管壁がむくんで腸閉塞症状が出ることもあります。

食事をする前に注意していただきたい点

アニサキスアレルギーのある方は、アニサキス症を防ぐためには、食材の取り扱いや調理方法に注意を払うことが必要です。アニサキスは主に生魚や刺身に含まれることが多いため、魚を生で食べる際は特に気をつけてください。新鮮なうちに内臓を取り除くことでアニサキスの筋肉へ移動が予防できます。また、魚を生で食べる場合には、冷凍処理を施すことでアニサキスの寄生虫を死滅させることができます(-20℃で24時間以上冷凍)。

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