胃癌と関連するピロリ菌
HELICOBACTER PYLORI
ヘリコバクター・ピロリ菌は、胃の粘膜に感染・生息し、慢性的な炎症を引き起こす細菌です。感染が長期にわたると、胃の粘膜が薄くなり、萎縮性胃炎と呼ばれる状態を引き起こします。また、萎縮性胃炎は、胃がんのリスクを高めることが知られています。ピロリ菌感染は、しばしば無症状で進行することが多いですが、慢性的な胃の不快感や痛み、食欲不振、体重減少の症状が現れることがあります。
空腹時などに辛い痛みが出る可能性
患者様の状況に合わせた検査方法
ヘリコバクター・ピロリ感染の検査方法はいくつかあります。ABC検診でも使われているピロリ菌抗体を調べる血液検査、吐息中のアンモニア測定をする尿素呼気検査、便を採取して調べるピロリ菌抗原検査、内視鏡検査を通して生検組織を利用する迅速ウレアーゼ試験、鏡検法、培養法などがあります。尿素呼気検査や便中ピロリ抗原などは最も感度がよいとされています。血液のピロリ菌抗体検査は過去に感染があった証拠になりますがリアルタイムのピロリ菌の存在には不向きであることと抗体の産生が弱いと偽陰性になることもあります。2022年11月から保険収載可能となったピロリ菌PCR法は内視鏡中に胃液を採取することで簡便に検査が可能で、さらに一次除菌に使用する抗生剤のクラリスロマイシン耐性遺伝子も同時にチェックすることができます。尿素呼気検査と同等かそれ以上感度がよいとされています。当院ではこのPCR検査機を導入しています。