バレット食道について
BARRETT
長期間にわたる胃酸や胆汁酸の逆流が原因で、食道の下部が正常な扁平上皮から胃の粘膜と同じ円柱上皮に置き換わった状態を指します。食道腺がん(バレット腺癌)のリスクを高めることから、早期発見と継続的な管理が非常に重要となります。慢性的な胃酸の逆流、特に逆流性食道炎を長期間放置すると、食道の下部に持続的な刺激によって細胞の変性が進行する可能性があります。
バレット粘膜上皮の長さが大事
バレット食道とは、食道の下部にある粘膜上皮である扁平上皮から胃の粘膜上皮である円柱上皮が食道に上がってきて置き換わる状態を指します。一般的には長期間にわたる胃液の逆流、つまり胃食道逆流症が原因で生じてしまいます。置き換わった粘膜の長さが3cm未満の時はSSBE(Short Segment Barrett’s Esophagus)、3㎝以上の時はLSBE(Long Segment Barrett’s Esophagus)と言います。バレット粘膜の長さが長いほど、バレット腺がんのリスクは高くなります。(LSBEの場合、年率1.2%で腺がんが発生)
日本人のバレット食道の99%はSSBEとされ、バレット腺がんのリスクは欧米ほど高くありません。診断には唯一内視鏡検査しかありません。