空腹時の痛みが特徴的な十二指腸潰瘍
DUODENAL ULCER
十二指腸潰瘍とは胃と小腸をつなぐ十二指腸の粘膜が損傷し、潰瘍が形成される病気であり、胃酸や消化酵素の影響によって発症します。ピロリ菌感染や長期的な非ステロイド性抗炎症薬の使用が主な原因とされています。症状としては、上腹部の痛みや不快感が代表的で、空腹時や夜間に痛みが強まることがあり食事をすると軽快したりします。また、悪心や嘔吐、食欲不振などの症状も伴うことが確認できています。
ピロリ菌が主原因
胃酸や消化酵素によって十二指腸の粘膜が侵され、炎症や傷が形成されることで発症します。一般的な原因として挙げられるのは、ヘリコバクター・ピロリ菌の感染で、十二指腸や胃の粘膜にダメージを与え、炎症を引き起こします。ピロリ菌は幼少期に感染することが多く、その後長期間にわたって粘膜に影響を与え続けることが知られています。さらに、生活習慣やストレスも潰瘍の発生に寄与する要因です。
体重減少やタール便などにも注意
十二指腸潰瘍の症状は、主に上腹部に感じる鈍い痛みとして現れます。食後数時間後や空腹時に痛みが強くなることが多く、痛みは夜間に悪化し、睡眠を妨げることもあります。痛みは時に激しく、持続的なものでありますので、日常生活に大きな支障をきたす場合もございます。また、潰瘍が進行すると、便が黒色になるタール便や、体重減少、貧血といった深刻な症状が現れます。
痛みにも配慮しながら柔軟な検査
内視鏡検査を用いて、十二指腸の状態を詳細に確認することができます。内視鏡検査では、細長いスコープを口から挿入し、食道、胃、そして十二指腸を直接観察します。潰瘍の有無やその大きさ、深さ、位置、出血などを正確に把握することが可能です。また、必要に応じて生検を行い、潰瘍部の組織を採取して病理検査なども実施しています。
患者様の気持ちを尊重した治療方法説明
十二指腸潰瘍の治療は、潰瘍の原因と症状の重さに応じて行い、胃酸の分泌を抑えるプロトンポンプ阻害薬やヒスタミンH2受容体拮抗薬などを使用することで、潰瘍の治癒を促進します。また、ピロリ菌が原因とされる場合には、抗生物質を併用した除菌療法を実施し、潰瘍の再発リスクを大幅に減少させることができるように対応しています。さらに、生活習慣の改善も治療の重要な一環です。
