下北沢メディカル 内科・消化器内視鏡クリニック

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ピロリ菌について

ピロリ菌検査方法

ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)

ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)は、1983年にオーストラリアの病理医が胃炎患者の胃粘膜から発見した細菌です。胃の内部は胃液により強酸性になっているため、従来は細菌が生息できないと考えれていました。ピロリ菌はアンモニアを産生しアルカリ性環境を作り強い酸性の胃の中でも生きることができます。便、唾液、歯垢(しこう)の中でも見られます。

免疫が不完全な乳幼児に感染しやすく経口感染します。成人での感染はまれで感染した場合は急性胃粘膜障害として強い腹痛で発症することがあります。

ピロリ菌感染と関連が強い疾患

萎縮性胃炎 ・胃潰瘍・十二指腸潰瘍 ・胃MALTリンパ腫 ・胃過形成性ポリープ ・胃癌・急性胃粘膜障害、特発性血小板減少症紫斑症 

検査の種類
検査方法
感度
特異度
迅速ウレアーゼ試験
内視鏡による生検組織が必要
プロトンポンプ阻害薬(PPI)またはカリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)などの制酸剤を2週間以上休薬が必要
91-98.5%
91-100%
鏡検法
内視鏡による生検組織が必要
92-99%
89-100%
培養法
内視鏡による生検組織が必要
68-98%
100%
抗体検査
血液検査(陽性の場合はピロリ除菌前の内視鏡検査は必要)
88-100%
50-100%
尿素呼気検査
内視鏡検査は不要(ただし先に内視鏡検査で胃炎の確認が必要)
PPIまたはP-CABなどの制酸剤を最低2週間以上休薬が必要
98-100%
98-100%
糞便中抗原検査
内視鏡検査は不要(ただしピロリ除菌前の内視鏡検査は必要)
96%
97%
核酸増幅法(PCR法)
2022年11月から保険収載となった新しい検査方法 (当院で検査可能)
・内視鏡検査による胃液採取が必要ですが簡便に検査可能
 ・わずかな菌量に有用
 ・一次除菌の使用するクラリスロマイシンという抗生剤の耐性遺伝子も同時チェック可能であるため、
 ピロリ菌感染の治療薬選択にも有用
・PPIまたはP-CABなどの制酸剤を内服中でも休薬の必要なく検査可能
尿素呼気検査と同等以上
ほぼ100%

※ピロリ菌の検査は感度が低い場合には陰性になることがあり、内視鏡検査で直接胃の粘膜を評価しピロリ菌感染による胃炎を確認することが大事です。

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